VISVIM “人の内側に訴えかけ、心を満たすような中村ヒロキのものづくり”

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geejeeで特にお買い取り強化しているブランドであるVISVIM(ビズビム)。
世界中の感度の高い人達から絶賛されているのでご存じの方も多いと思います。
私たちが暮らす街にもVISVIMのショップであるF.I.L.があるので、着ている方を見かけたり、話題に上ったり、イベントで来仙したディレクターの中村ヒロキさん(愛車も含め)を見かけたりすることもありました。
しかし私がVISVIMの本当の魅力に気が付いたのはブランドが始まってから10年以上経ってからのことです。そんなVISVIMについて、個人的に印象が強いアイテムなどをいくつか挙げていきたいと思います。

VISVIMとは


VISVIM(ビズビム)は、クリエイティブディレクターの中村ヒロキ氏が2000年に設立した日本のファッションブランドです。
中村ヒロキ氏がBURTON退社後に立ち上げ、シューズブランドとしてスタートしましたが、その後ウェア、アクセサリーなどを展開するトータルブランドへと拡大。
素材へのこだわりが強く、現代テクノロジーの進歩の良い部分と、古くから長く技術が積み上げられてきた伝統的な技法の組み合わせでものづくりをしています。
過去のシーズンを見返すとアメカジがベースになっており、クリーンでミニマルな服から始まり、藍や染めへの追及、民俗調になっていって今に至ります。手作業の工程を重んじおり、手書きでのペイント、靴や服を土に埋めて泥で染めたものなど、大量生産が出来ないものづくりですが、そのこだわりに賛同する人は世界中に多くいます。
ディレクターの中村ヒロキ氏の着こなしも素敵です。私がアウターとしか考えたことしかなかったGジャンをステンカラーコートのインナーとして着こなしたり、昔からあるアイテムの組み合わせなのですが、個人的には影響を受けました。2011AWのLOOKでも様々なアウターの下にGジャンを着ていたのを覚えている方も多いかと思います。
日本を代表する、世界に誇るべきブランドの一つだと思います。今ではレディースラインのWMVもあります。

FBT


VISVIMは最初期はシューズブランドという認識でした。
藤原ヒロシさんが履いていたこともあり、当時は裏原宿系の方が履いているのを目にすることが多かったです。
上の画像の今でも作り続けているモカシンとスニーカーソールを組み合わせたFBTは初期からの名作です。モカシンとスニーカーソールの組み合わせは当時はとても斬新でインパクトがありました。モカシンなのに軽くて履き心地が良い。こういった革靴とスニーカーソールを組み合わせたシューズを作り、世に広めたパイオニアだと思います。
余談ですが、FBTという名称は80年代のイギリスのバンドFun Boy Threeのメンバーがモカシンのシューズを履いてラップをしていたのですが、藤原ヒロシさんが彼らが履きそうな靴を作ったら面白いのではというアドバイスから生まれたもので、バンド名の頭文字を取ってFBTになっているそうです。画像は藤原ヒロシさんとFun Boy Threeのフロントマンのテリーホール。二人でFBTを履いています。


このころのVISVIMから比べると進化が凄まじく、藤原ヒロシさんが着用していたというバリューからは完全に脱して独自の道を歩んでいます。
以前は他ブランドとのコラボレーションアイテムもありましたが、いつのころからか全く無くなり、完全にVISVIMの世界観を一本で表現するようになっています。

KERCHIEF DOWN JKT


これは以前仙台で行われたindigo camping trailerというVISVIMのイベント時に見て、その服が持つオーラに圧倒されました。70~80sのヴィンテージバンダナを使用して作っているこのダウンシャツ。素材が持つヴィンテージならではの味わいが魅力ですが、それでダウンシャツを作るという発想に驚かされました。
年々素材の調達が難しくなるようで生産数もかなり少ないです。※あまりにバンダナが取れなかったみたいで、2020年現在はオリジナルバンダナで生産されています。
バンダナでなく日本の古布を使って作られたものもあります。

SOCIAL SCULPTURE DENIM


VISVIMの代表的アイテムの一つがデニムです。
ヴィンテージデニムからヒントを得ているが過去のモノを単に真似たモノ作りはしたくないという想いから、現代の生活に合う、ワードローブとしての作られたデニムがSOCIAL SCULPTURE DENIM。
ここでも拘りは凄いです。
糸から作り、旧式の織り機での製作。昔ながらのロープ染色。デニムの歴史を紐解いたVISVIMならではの現代版デニム。カラー、糸、リベット、ボタン、2色のステッチ糸、本藍染の鹿革パッチ。すべてにはっきりとした目的があり、”意味”を形にしたものと中村氏も話しています。

DRY DENIM


SOCIAL SCULPTURE DENIMの中にDRY DENIMという通常とは異なるラインナップが存在します。
このDRY DENIMは通常のデニムとは一線を画すもので、特殊な加工を施した生地を使用して乾燥機で急激に縮ませる製法で作られており、この製法はVISVIMが特許を取得しています。
この製法を聞いたときはコムデギャルソンの縮絨製法が浮かびましたが、デニムで行うところがVISVIMらしいです。
これはアメリカ西海岸の強い日差しの中で着続けられ、強力な洗濯機でガンガン洗われたヴィンテージデニムが持つ、生地の目が詰まったドライ感を再現したいということで、何度も実験を重ね、特殊な加工を施し繊維の油分を抜いて収縮させるという製法。上の画像の左が加工前で右が加工後です。2割位は縮んでいるのではないでしょうか。かなり良い面構えです。
しかし一つだけ欠点があります。公式には洗濯不可ということ。高熱で急激に縮めているため、洗濯してしまうと膨張して形が崩れてしまうらしいのです。
実際に着用している方の話だと高温多湿な日本で着用していると、湿度と汗と油分で徐々に膨らみを感じるようになるそうです。
洗濯してみた結果、洗濯槽から取り出すと確かに大きく膨らんでいたそうですが、45分の乾燥機(強)でかなり詰まって風合いが増したそうです。※洗濯するかどうかは自己判断でお願い致します
DRY DENIMはVISVIMの技術、製法で生み出された一生モノのデニムです。もしお買取りする機会があれば高価買取させて頂きます。

日本の職人の技術を活かすものづくり

中村氏は「日本の産地には素晴らしい職人と技術があるにも関わらず、残念ながら活かしきれていない。僕らクリエイターがもっともっと頑張らなくてはならない」と発言しています。
様々な地方に通い、そこで継承されている藍染などの伝統技法を自身のブランドで新たな価値に変えています。アイヌ民族に伝わる染色方法でウールに藍染をしたのも驚きましたが、奄美地方に伝わる泥染めには驚愕しました。
泥染めは色が入りやすいコットンでもとても大変な作業なのですが、VISVIMは更に難しいナイロンまでもを泥染めしています。VISVIMではただ泥の色に染まるのではありません。奄美大島には海底火山があり噴火や火山灰のニュースなどを見たことある方も多いと思います。火山活動で出来た泥には鉄やミネラルが含まれ、その泥をスモモの木を燃やした灰と混ぜて綺麗な焦げ茶色を作っているそうです。

そうした手間をかけて泥染めされた服を初めて見た時には、圧倒的雰囲気でした。画像で伝わるか分かりませんがナイロンの泥染めのTHORSON JKTです。

そして日本に古くからある野良着などの作業着を作ったりもしています。
下の画像はNORAGI LHAMO SHIRT(ラモシャツ)というものでVISVIMの代表的なアイテムの一つです。

これは日本的なものを取り入れるという目的ではなく、単純に野良着の形や江戸時代の日本の藍染を魅力的に感じたとのこと。野良着を日常着に取り入れるというのは、私達には距離が近すぎて日本の古い文化の良さよりも海外のものに目が行きがちなで、逆に無かった発想だったと思います。しかし、今ではみんなが着ているデニムジャケットやワークウェアも元は作業着でした。
VISVIMの野良着は様々な素材や柄などのバリエーションで、今では世界中の人たちから愛され評価されています。

VISVIMの店舗


VISVIMのショップには一度は行ってみてほしい、本当に素晴らしい空間です。
それはまるで美術館や博物館に来たような気持ちにもなる店舗。個人的に特にオススメなのは目黒川沿いにあるWMV VISVIM TOKYOです。70年代に建てられた民家を改装したこの店舗はVISVIMのアイテムと同じく、変化や劣化を美しいとする哲学が妥協無く落とし込まれています。

・土や藁を合わせて塗り込んだ土塀
・美しい坪庭を手がけたのは造園界では伝説の安諸定男氏
・紙の王様と称される越前和紙の一種、雁皮紙を使用した襖
・大テーブルは家具デザイナーで建築家ジョージ・ナカシマの50年代の作品
・安土桃山時代の壺
・江戸時代の自在鉤
・ハラコ仕立てのピエール・ジャンヌレのチェア
・手漉きの和紙を使用した提灯。それを支えるのは江戸時代の自在鉤
・名栗加工で仕上げたカウンター
・床は京都から持ち込んだ瓦を埋める作り
・店舗の瓦は銅製を使用

などなど、他にも私が知らない部分もあると思います。
これらを間近で見ることが出来る機会が、身近にあるということ自体が凄いことだと思います。
コーヒースタンドも併設されており、オリジナルのコーヒー豆を使用したエスプレッソ、カフェラテなどを楽しめるので是非実際に行ってみてほしいです。

■WMV VISVIM TOKYO
住所:東京都目黒区青葉台1-22-1
電話番号:03-6303-3717

私たちの住んでいる仙台にあるF.I.L. SENDAIも素敵です。

個人的にパトリックブランに興味を持っておりましたので、国内外の様々な地域にある壁面緑化を見ましたが、その中でも美しいものだと思います。
国内だけではなく海外にも店舗があり、アメリカのロサンゼルスやニューメキシコ州にある店舗にはいつか足を運んでみたいです。

ウィメンズラインのWMV


VISVIMには2014年からWMVというレディースもあり、中村ヒロキさんの奥様であるケルシーさんがデザイナーを手がけています。
中村氏は以前インタビューで「ウィメンズのマーケットでは、メンズのように”ものづくり”を重視したブランドは少ないのかなと思った」と話されていました。
ケルシーさんは元々はヴィンテージディーラーとして有名でかなり造詣が深いそうなので、VISVIMの「ものづくり」を重視した世界観をレディースで表現することが出来るのだと思います。
”内側からきれいになれるような、着る人のリッチさやラグジュアリーを引き出せるもの”をテーマにケルシーさんの審美眼とVISVIMのクオリティを、女性のためのオーセンティックウエアで表現しています。

VISVIMのお買い取りはgeejeeにお任せください

「visvimの服は店に掛かってる時が100%ではなく、そこから着込んでいく事によって完成していく」

良い原料を使って服作りをしているブランドは近年よく見ますが、VISVIMは中村ヒロキ氏の妥協無いものづくり、加えて人の手仕事や天然染色などを突き詰めていっているので全ての服の表情が違ったり、経年変化が美しく変わっていく様など、本質的なものを素敵だと感じることが出来る無二のブランドだと思います。そういったストーリーを肌で感じるられ、訴えかけ、そして心を満たすようなアイテムは唯一無二の存在だと思います。
大量生産で均一に完成されたものではないので、値段は驚くほど高いですが、その人の着方やライフスタイルによって変化していく様、不均一で人間味の出てくることがものづくりの完成系というメッセージを身をもって体験出来るプライスレスなものでもあると感じます。
個人的に愛用しているVISVIMのアイテムの中には着すぎてポケットに穴が開いているものもありますが、内側から作っているものには中から輝くものがにじみ出るということを身をもって体感しています。

今までも私たちはVISVIMのアイテムを大切にお買い取りし、次のお客様の元へと届けてきました。これからもたくさんの人に届けていけたらと思います。
出来る限り高く買取りますので、お買い取りのご依頼・お問い合わせ、お気軽にお待ちしております。
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